こんにちは。群馬県の浅間高原にあるキャンプ場「-be-北軽井沢キャンプフィールド」です。
先日、6月13日〜14日にて行われた「直火キャンプ」イベントのレポートです。
ご参加の皆様、ありがとうございました!今回残念ながら来れなかったという方、レポートを読んでまたぜひ参加してみてくださいね。

前回の野鳥イベントに続き、今回のイベントは「直火」がテーマです。
アウトドアライフアドバイザーの寒川一さんと一緒に、自分たちの手でそれぞれの直火の炉を組み、燃料(枝)を集め、直火を楽しんでもらうという趣旨のイベントです。
キャンプを楽しまれている方なら焚き火自体はやったことはあると思いますが、意外と?直火を体験したことがない方が多いなぁと感じていて。直火でしか味わえないロマンなどがあるので、ぜひそれをもっとたくさんの人に体験してほしい!と企画したイベントです。

「いや〜、これは紀元前の炉ですねぇ(笑)」苔むした直火サイトの炉に、思わずツッコミを入れる寒川さん。
まずは今日の流れを説明をしてさっそく質問が。「石で炉を組まないといけないのか?」という質問に、寒川さんはちょっと驚いたような表情で、
「組まないといけないわけではないよ。焚き火はね、3つの配慮をしたら自由だから」と答えます。
っとその前に、直火の場所を決めるにあたっての注意点があるので、それを先にシェア。
直火の場所の注意点
・風のうごきを見る
・木の根を痛めない場所
・頭上(木が近くにかかりすぎてないか)
・枯れ葉がたくさんある場所ではやらない
「その3つについては、後ほどちゃんと説明します」と寒川さん。説明内容や実践方法の裏側には、なぜそうなのか、が必ずある”寒川イズム”を感じる語り口に、参加者さんも引き込まれていました。
燃料集め

今回は、焚き火に使う燃料も全てキャンプ場で拾ったものに限定します。いつもはキャンプ場などで販売されている薪を燃やしますが、今回は火口も全て現地調達。針金くらいの細い枝を多めに集めると火がつきやすいそうです。



いざ、特設?直火ワークショップサイトへ

今回のために開拓した”専用サイト”に向かいます。

あまりにも開拓したての土地に、ちょっとなんだか落ち着かない様子…。

焚き火の作法
まずは、寒川さんから「直火についての考え方」を学びます。
近年、直火ができるキャンプ場はめずらしく、焚き火をしたことがあっても直火をしたことがない人が大半かと思います。直火ができなくなってきた理由は色々ありますが、地面へのダメージだったり、”焚き逃げ”などによるルール違反のものだったり。
「堅苦しく思われたら不本意だけど、直火は作法が必要です」と寒川さん。
作法とは何か。それは、”自然をしっかり観察すること”。

「直火をするにあたって、配慮することが3つあります。まず、自然に対して。次に他者に対して、その次に自分に対して。それらに配慮し、安全を守ることが大切です」
先ほどあげた注意点と重なるところもありますが、その場所のコンディション、風向き、季節などをしっかり観察すること。
その上で、今日は誰と何人で、どれくらいの時間、何をするのかをイメージをしてそれに合わせて直火の炉を作り上げる。
「0から、そこに何時間も居れる場所を作るんですよ。ワクワクでしかないですね。」とうれしそうな表情で話す寒川さん。
「うまく火をつけるのは、経験でしかありません。」
このイベントは自分で直火の炉を組んで自分で直火を主体的に楽しめるところもポイントですが、
実は、その体験を寒川さんの”直火の作法”を聞きながら実践できるのが、一番貴重なことだったりします。自然と向き合うための作法や姿勢を、自身の言葉で伝えられる人は存外そう多くと思います。
「僕はね、焚き火をつけるまでに時間がかかるんだ(笑)。燃料を拾ったり、炉を組む石を厳選したり、風向や日の動きを見たり、それも全部焚き火の時間だからね。」
寒川さんのお手本
それでは、実践に入ります!

まずは、炉を組む前に穴を掘ります。最後はきれいに元に戻すので、あまり深すぎても浅すぎてもいけません。ゆるやかにカーブを描いて真ん中に空気が流入してくれるような、そんなイメージを持って穴を掘ります。

次に、炉を組みます。石と石の隙間があまりないように石の高さは揃えるときれい。
「ちょっとしたコツだけど、利き手に一番近い石は1つ平なのを置くといいよね。ナイフを置いたり、ちょっとしたテーブルになったりする」



火床の上に先ほどナイフで削ってよく乾燥させた白樺の皮を置きます。白樺の皮は着火剤にはとても適していて、すぐに燃えてくれてかつ比較的長いのが特徴です。(むしろ着火剤としては、最高に贅沢!)

先ほど集めた小枝などを1本の枝にかけて、完成。あまり詰め込みすぎても空気が通りません。このあたりは焚き火・直火の経験値の差が出やすいポイントかもしれません。

今回の道具はシンプルにこれだけ。ナイフ(メタルマッチ)とマッチとライター。寒川さんはマッチを使って着火します。

慣れた手つきで、マッチから白樺(着火剤)に火を移します。

小枝などに火がつきました。じっくりじっくり熱が高くなるのを待ちます。




火吹き棒がなくても、自分の指で火吹き棒のように細く長い空気を焚き火に送るコツなども教えてもらいました。
参加者も、直火に挑戦!
それでは、続いて参加者の皆様の直火の番です!


場所も自由!それぞれ、ここだと思ったところでまず穴掘り。「ガーデニングとかをしてない限り、なかなかこうやって土に触ることないよね」なんて話も。童心に帰るような気持ちです。
炉を組んで、小枝を並べて…。ふと見ていると参加者さんそれぞれの炉がちょっとずつ違って個性があるのがおもしろかった!




さっそく着火チャレンジです!果たしてうまく火がつけられるでしょうか?


実は、雨が降ったりやんだりと小枝も少し濡れていて、なかなかハードルの高いコンディションだった当日。
ちょっと火がついたかな?と思っても、なかなか太い枝までに火が届かない!なんて方もちらほら。


そんな中、メタルマッチから直接白樺の皮に火をつけようとする猛者も!





さっきまで、なんだかそっけない荒れた土地だったのに、焚き火をそれぞれつけていくとそこはもう、なんだか小さな村のような落ち着いた空気になっていてなんだかびっくり。焚き火の効果でしょうか。。。


焚き火の終わりは、小枝を足しすぎても燃え残りが増えるばかりなので、火床に使っていた枝を熱源に燃やし切ります。炭は自然で分解されません。なのでなるべく灰にするのがポイントです。
残ってしまった炭は炭入れや缶などに入れたあと、土をかぶせて水をかけます。
(まだ地面が暖かい状態だと水蒸気が危ないので、一旦土をかぶせます)

「灰が残ってても大丈夫。むしろ、灰ってアルカリ性だから土の酸性と組み合わせることで土壌がよくなるんだよね。
枝が燃えると炭素が空気に放出される。それをまた木が吸う。そんな循環が起きると僕は思っている。焚き火という行為は、一方的に木を燃やしているだけの消費する行為に見えるけれども、実はこうして循環の焚き火をすることだって可能なんだ」

人間の行為を、自然の中の循環の輪の中にいれる。現代的な暮らしのなかでは、なかなかそれをするのは難しいと感じますが、でも、私たちが時折自然に癒やされながら行うキャンプや焚き火によって、自然の輪の中に入れてもらえるのであれば、その時間や行為には大きな意味があるように思えます。
地面をできる限り原状回復。これにて直火体験ワークショップ終了です!
最後に
ワークショップのほか、夜は寒川さんと直火を囲み、翌朝は直火でホットドックを調理!加えて、寒川さんによる「マウンドファイアー(焚き火台がない状況でもローインパクトに焚き火が出来る方法)」の実演もお見せいただきましたが、このあたりは割愛!またイベント開催しますので、ぜひその時にでも。
イベント中、「直火をするワークショップは、全国でも見たことがない」と寒川さんにおっしゃっていたのですが、よくよく考えると、たしかにそうですね。自分で炉を組んで直火を体験するイベントはなかなかないのかもしません。

でも、直火って、実は結構難しくて、枝の湿り具合や炉の中の温度、風の通り道、石の配置、枝の太さ、本数・・・などなど、地味に「焚き火力」が試される遊びです。だからこそ、火がつけられた達成感はキャンプ場で買う薪で焚き火をつけたときとは全くの別物。
そしてそれで調理をして、食べて、暖まる。その一連の流れは、焚き火台の焚き火では味わえないものがあります。
寒川さんは言います。
人が火を起こすようになったのは約40万年前。わたしたちの暮らしの発展は「火」から始まりました。しかし近年、暮らしからは「火」が遠くなってしまい、火に対する耐性がなくなり、火や煙をむやみに怖がるようになってきている。
「しっかりと責任を負って、未来の焚き火のために伝承していきたい」
寒川さんがワークショップの終わりに話された一言が心に留まりました。
北軽井沢の土地は「薪ストーブ」などが多く、形を変えて今でも火と共にある暮らしをしています。そんな土地から発信をする「火」のワークショップ。
今後も続けていくことで、寒川さんの思いや皆さんに焚き火の奥深さ、新たなキャンプの楽しみ発見のお力添えができたらうれしいです!
次回は、秋頃(9月or10月)に、また寒川さんと焚き火のイベントを開催予定です。ご興味ある方、ご参加お待ちしております!

